金平糖のような甘い甘い恋
 「あたしが買います!!」


 「買わなくていいから。んじゃ、行ってくるわ。
あそこの木の下で待ってろ」


 と言ってあたしの手を離しお好み焼きを買いに行った。

 あたしは仕方なく木の下で待っていた。


 「待たせたな」


 やっと来た裕輔先輩の手には2つのお好み焼きがあった。


 「え?なんで2つ?」


 「俺の分とお前の分」


 と言ってあたしにお好み焼きを渡してきた。


 「え...いや、そんな駄目ですよ!」


 あたしは、お好み焼きを受け取らないでいた。
 すると、


 「いいから。食え」


 とあたしの手の上に無理やり乗せてきた。


 「でも....」


 「いいから。食え」


 あたしは何度も拒否したが、
裕輔先輩に負けありがたくいただいた。


 「うまいな!!これ」


 「はい!!美味しいですね!!」


 あたし達は、
側にあったベンチに座りお好み焼きを食べながら言った。


 「もうちょっとで花火打ち上がるんじゃね?」


 とっくに食べ終わっている
裕輔先輩はいつの間にか
暗くなっている空を見ながら言った。


 「そうかもしれませんね」


 あたしは急いで食べようとしたが裕輔先輩が
ゆっくり食べな、と笑いながら言った。

 あたしはゆっくり食べた。
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