金平糖のような甘い甘い恋
 あたしは思った。

 この横顔を独り占めしたい。
 この笑顔を独り占めしたい。
 この大きな掌を独り占めしたい。

 裕輔先輩の全部を独り占めしたい。

 それができればどれだけ幸せだろう。

 だけど、そんなことはできない。

 裕輔先輩には好きな人がいて
あたしは裕輔先輩が好きで、
気持ちが違っていた。

 でも...この瞬間この時だけを
あたしに独り占めさせて?
 裕輔先輩の隣にいさせて?

 もし、裕輔先輩に彼女ができたら
あたしは離れるから。

 だから...この時だけ...



 
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