七夕☆Angel
「ねぇ、さっきなんで急に抱きしめたりしたの?もービックリしちゃったよ。」

「いや、ちょっとね。抱きしめたくなっただけ。」

私を送ってくれた車の中で、かけるは少し照れていた。

『かわいい』

そう思った。

「じゃぁまたね。」

「またね。」

その日もキスは無し。

でも少し、かけるの体温を感じる事が出来た。

れんの腕を思い出した。

れんの腕も、私をいつも包んでくれた。

かけると過ごす時間は楽しい。

でもそれと同じ分だけ、れんの事を思い出してしまう。

比較している訳ではない。

かけるはかけるだから。

でも、思い出してしまう…

それは、どうしても止められなかった。
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