七夕☆Angel
キョロキョロしながら歩いていると、隣にいたはずのかけるの姿がなかった。

「あれ?かける?」

振り返ると、かけるはある店のショーウインドーに飾られてあるワンピースをじっと見ていた。

真っ白で、胸元や裾にレースの着いた、可愛いワンピース。

私もじっと見てしまった。

「かわいい…」

私が言うと、かけるはようやく私に気付いた。

「あ!これ、ゆめみに似合いそうだな〜って思って見てたんだ。」

「似合うかなぁ?試着してみようか!」

試着なんて滅多にしないのだが、そのワンピースがあまりに可愛すぎて、自分に似合うか不安になったので、着てみる事にした。

試着室の鏡の前で、私は、ワンピースを着た自分の姿をまじまじと見た。

『自分じゃないみたい…』

しばらく自分の姿を見ていると、かけるが声をかけてきた。

「ゆめみ?どう?」

「こんな感じになった。」

試着室の扉を開けて、かけるにその姿を見せた。

「やっぱり思った通りだ。すっごく似合うよ。」

かけるは優しい笑顔で言ってくれた。

かけるのその言葉で、私はそのワンピースを買う事に決めた。
< 41 / 69 >

この作品をシェア

pagetop