七夕☆Angel
れんとの思い出が、頭の中をぐるぐる巡った。

涙で前が見えなくて、ちゃんと歩けない。

ドンッ!!

誰かにぶつかった。

「す、すみません!」

私は思わず顔を上げて謝った。

『こんな泣きじゃくった顔なのに…』

でも、そんなこと関係ないと思った。

「あれ〜?泣いてんの?ねぇねぇ、ヒマなら一緒にどっか行こぉよ!俺達楽しいよ!」

ぶつかった男がそう言った。

知らない男。

『え?昼間っからナンパ?しかもこんな時に…』

私はオドオドしてしまった。
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