魔界のお姫様。ー3人の悪魔たちー
「モーガン、聞いていい?」


「何?ルウナ。」


「モーガンは、どうしてアルビナ一味にいるの?」


「どうしてって、僕の居場所だからさ。産まれてからずっとアルビナ一味のリーダーの息子で、闇で生きてきたんだ。」


「ヨウゼフがパパだから?」


「そうだよ。
父さんは僕をこまみたいに使うんだよ。僕を道具としてしかみていない。
物心ついた時から殺しかたを教わった。」


そう言ったモーガンは、力なく笑っていた。


「一度は、逃げたよ。
ジュノバスへ。そしてラウルに会った。だけど僕はラウルとは違うんだ。力も…そしてラウルみたいに強くない。ラウルには自然と集まるんだ。みんなが…
僕はずっとひとりだった。
気づいたんだよ。
誰も信じず…強くなって
みんなを支配すれば僕についてくるって。」


「モーガン…」


「最低最悪なやつの息子にはそれなりの生き方があるんだよ。闇で産まれたら闇に生きるしかないんだ。」


「そんなことない。
モーガンは1人じゃないでしょ?アタシもいる。ラウルだって心配してるよ?」


「心配とか同情が一番嫌いなんだよ。僕は、悪魔とヴァンパイアの力がふたつあるんだよ。気持ち悪いでしょ?」


そう言って歯をアタシの首筋に立てる。


「…っっ」


「血も吸えるし、魔力も使える。僕はね、魔界の危険物なんだよ。気持ち悪いよね。」


「そんなことないよ。
気持ち悪くない。モーガンはモーガンでしょ?」


強気にモーガンの目を見ていった。


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