魔界のお姫様。ー3人の悪魔たちー
「ねえ!そろそろ手離してくれない?」



城の外を歩いていても、手が離れる気配がない。


「お前、可愛くねーな。
せっかくエスコートしてやってんのに。ルウナ姫様を!」



にこりと、紳士的な笑みを浮かべている。



「気味悪いッッ…」



「フンッッ…そんな生意気な態度をとる姫様にはお仕置きだな~」


「ちょっ…何するの…」


グイッッと手を引き寄せられ、顎を持たれた。



唇が当たるか当たらないかの距離…


クイッと口角が上がってるラウル…



魔力で吹き飛ばせるのに…


逃げられるはずなのに…



それができないくらい、
ラウルの瞳に吸い込まれそう。


何でよ…



目が離せない…



そして…


唇が当たった。


さっきよりも深く甘いキス…



人間界にいた2年間、

勿論こんなキス初めてで…


魔界にいたときだって、
城の人間以外関わったことなかったから…







ってゆか…


激しくない!?



何度も啄むように離れたり…くっついたり…


ヤバイ…

頭くらくらする…



チュッとリップ音と共に、ペロリとアタシの唇が舐められた。



「なあ、このまま抱いていいか?」


甘い瞳と甘い声…


思わず頷きそうになるけど…


「いいわけ…ないでしょ!」


ガリガリッッ



「いたッッ!!」


アタシの尖った爪で
ラウルの左腕を引っ掻いた。



「この…俺様、エロ悪魔!変態!!」


「貴様…俺を傷物にするとは…許さん!」


ラウルの周りに黒いオーラが見える。


魔力が上がって殺気が出ているんだ。



思わず震えた…



アタシだって負けないもん!!



全身の血が巡って体が高潮するのがわかる。


魔力が上がっている。



ザーザーッッと草木が揺れる。



アタシとラウルの間に
殺気が溢れていた。





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