魔界のお姫様。ー3人の悪魔たちー
それから、数日がたつ。


アタシは、エレンの部屋を訪れた。


「ルウナ様、どうされたのです?」


相変わらず、アタシをルウナと呼んでくれない。


「用がないと来ちゃ行けない?」


「いえ…別に。」


ここ数日で変化したこと、それはエレンが部屋に入れてくれたこと。


最初は、部屋に入れてくれなかった。


毎日諦めずに部屋に来ていたら昨日入れてくれた。


「ねえ、エレン、これつけてみて!」


「これは…」


アタシがあげたのは、ママがくれたブレスレット。


「友達の証。色ちがいで2個貰ったの。だからエレンにあげるよ。」


゛友達゛という言葉にエレンは眉を寄せた。



「アタシね、友達なんてできたことないのよ。
ずっと城にいるし。人間界にいた時も女の子の友達はいなかった。
だからね、友達になろ?」


「…友達なんていりません…アタシは…もう死んだっていいんです。」


エレンは無表情で、そう言った。


「エレン…エレンは本当にそう思うの?」


「え…?」


「死んだって誰も悲しまないって思うの?」


「私にはもう誰も家族はいません!!ルウナ様とは違うんです!悲しんでくれる人なんていません!」



初めてエレンは感情を表に出した。


「ラウルが言ってたよ。
エレンを助けた時から、ずっと心配だったて。
エレンは大事な人だって。
エレンが死んだらラウルも悲しむよ。」


「ラウルさんが…」


「少なくとも、アタシは悲しいよ。
こうやってアタシと関わっているでしょ?エレンが死んだら悲しいよ。」



「ルウナ…」


エレンは、"ルウナ"と呼んでアタシに抱きついてきた。


「もうひとりになんてならないから。
エレンをアタシが守るから。」


アタシがそう言ったら、
エレンは声を出して泣いた。



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