ウィルルケビン☆ロリンソン
この事件の始まりは
私は今日、変な紙切れを見つけた
ーウィルルケビン☆ロリンソンー
メモの走り書きみたいな忙しい字で、そこにはそう記されていた
『なにこれ…』
私は心の中で呟く
私は一人でいるときに独り言言うような寂しい女じゃないから
とか言う理由じゃなく
聞き咎めてくる奴がいるからだ
『ウィルルケビン☆ロリンソン』
私は声に出さず口の中でその言葉を転がしてみる
走り書きのようではあったけど、比較的きれいな字で、それ以外に読みようはなかった
意外と心地よく舌が回る
もっと咬みそうな言葉かと思ったが…