ウィルルケビン☆ロリンソン


おばちゃんは穂積に頼られたことがとても嬉しいらしい。



「これってなんだか知ってる?」



穂積はさっきポケットにつっこんできた紙切れを差し出す。



「なあに?これ」



ウィルルケビン☆ロリンソン



やはりおばちゃんにも馴染みがないのか



「新しい映画の題名とかかしら」



(ああ、そういう考え方もありか)



「ごめんね、信ちゃん。おばちゃんわかんないわ。役に立てなくてごめんね。」



おばちゃんは大層すまなそうに言った。



「ううん、いいんだ。ちょっと気になっただけだしね。ありがとう、おばちゃん。また今度は、ちゃんとお財布持ってくるからね。」



こうして穂積のおばちゃんへのptは上がっていくのだ



商店街をそんな風にして歩いていたものだから、穂積の両手は商店街を出る頃には荷物で一杯になっていた。



これで一週間は楽々暮らせる。



(またユカリが何か言うかな~)



ユカリは貰えるなら貰っておけ。とか言うわりに案外気にするのだ。



穂積のもらいかたがえげつないからかもしれないが…



仕方ない。穂積はおばちゃん達のアイドルだから


< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop