ウィルルケビン☆ロリンソン
「ただいま~ユ~カ~リ~ちゃ~ん、助けて~」
穂積はおばちゃん達にもらった荷物に埋もれて呻いていた。
一方、ユカリは大層おかんむりだった。
「……穂積、アレは何?消えないんだがな?何で書いたんだ?」
さっき穂積が書いた魔法陣が消えないのだ。
事務所にはシンナーや重曹などのいろんなにおいが蔓延していた。
「ユカリ!?やばいよ、此処のにおい!ラリっちゃうよ!換気換気!」
穂積はせき込みながら荷物を全部玄関に放置し、窓を全開にした。
「ユカリ!」
穂積はユカリの方に向き直る。
手には【劇薬!混ぜるな危険!】の文字の入った容器があった。
「まさか、混ぜたの?」
「まさか、混ぜるわけなかろう。混ぜるな危険と書いてあるのに何故混ぜるんだ。色々別々に試して…」
ユカリは床の上に目を向ける。
そこには、色んな薬品が床の上で混じっていた。
「あ、混じってるな。」
「混じってるな。じゃないでしょう。危ないんだよ?気をつけてよ!」
「何故穂積に怒られにゃならんのだ!」