ウィルルケビン☆ロリンソン




呪文?暗号?
それとも誰かの名前か



「なーにしてんのさ」



私の頭の後ろから声がした



また厄介なやつがきたものだ



「ウィルルケビン☆ロリンソン?何だよそれ」



やつは私からピッと紙切れを奪った



「何この売れない芸人みたいな名前は」



「やめろ。返せ」



全く腹立たしいやつだ


私は同じようにやつの手から紙切れを奪い返した



「うわっ、そういう取り方よくないんだよ」



お前に言われたくない



「全く、どこでどうしたからこんな風に育ったのかな。俺、どこで間違っちゃったんだろう」



「……」



「何で無視すんの!!ユカリって本当に冷たい!俺泣くよ!」



「私は…穂積(ホヅミ)に育てられた覚えはない。だから泣くな。ウザい」



「俺が泣くのとそこは関係ないし。ってか俺の質問に答えて無いじゃん!ユーカーリー!!」



嗚呼、何故この男はこんなにもうざったいのか



それは学校の七不思議にも勝る謎だ



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