Aimez-moi plus(Love me more)
「・・・最初はあんな始まりだったけど、俺はあなたが好きです。あなたが欲しい。誰にも渡したくない」

何度も体を重ねてはきたけど、こんなふうに真剣に告白されたのは初めてだった。

力強く抱きしめられる腕に、少しだけ力を抜いてみる。

彼の腕の中で私はすっかり小さな女の子で、すっぽりと収まってしまう。

「今夜、家に行ってもいいですか?」

小さく鳴り響く始業のチャイムに倉木くんがささやく。

「ちゃんと話したいから」

見上げると、まっすぐに真剣な瞳が飛び込んでくる。

その額には外回りから帰ってきたときのまま、汗がじんわりにじんでいた。

私は小さくうなづくと握りしめていたハンカチでその額を拭う。

倉木くんはその手をそっと取ると、ふわっと微笑む。

そして、私たちはどちらからともなくそっと唇を重ねた。
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