Le jour du lis de la vallée(スズランの日)

19時・・・


「来ない・・・」

私はワンピースのままベットに座り込んだ。

もしかして、撮影押してるのかな・・・

そう思いながら、携帯の時計を見つめる。

すると突然携帯が鳴り始めた。

表示されているのは佐々木の名前だった。

『絵里子か?』

「ほかに誰が出るのよ」

私はついいらいらして、むっとしたようなしゃべり方になってしまう。

『今一人か?』

「そうですけど、何か?」

『あ・・・いや、昨日黒沢悠馬と会ってたみたいだからまさか、と思って・・・』

「まさか、なんなのよ」

佐々木に恋愛のことまでとやかく言われたくないわよ。

マネージャーの佐々木はここ2、3年前から専属のマネージャーで年は確か31くらいだったかな・・・

背は私がヒールを履いてちょっと高いくらいで、ダサいめがねに特におしゃれでもない定番のスーツ。

体型は太ってもやせてもいない中肉中背タイプ。

仕事はきっちりするから助かってるけど、いろいろ小言がうるさいんだよねぇ・・・
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