Le jour du lis de la vallée(スズランの日)
3.
「は~おいしかった~」
食後のデザートのあとに、紅茶を注いでもらう。
いい香りと雰囲気で酔ってしまいそう・・・
「絵里子」
佐々木は満足そうに両手をテーブルにつく。
「ん?」
紅茶のカップをテーブルに置くと、そのまま左手をとられる。
「・・・ちょっ・・・」
引っ込めようとしたら、また強く引っ張られてしまった。
「なんなのよ、今日は・・・」
仕方なくされるがままにしていると、佐々木がポケットから何かを取り出した。
・・・・って、それ・・・
私がそれに釘付けになっていると、佐々木はその小さな箱を開けて中にあったリングを私の薬指にはめた。