Two of us
そういえば、一也は好きな子とかいないのかな

ことごとく女の子たちフってるみたいだけど・・・


その日の帰り道、一也の横顔を見ながら思った。


「ん?なんか顔ついてる?」

顔はあんまり似てないけど、優しいしゃべり方なんかは似てるかな・・・

「ううん、一也ってモテるのに彼女作らないのかなぁって思って・・・」

そう言って笑うと不意に腕を捕まれた。

「なんでだと思う?」

「え?」

顔をあげると、一也が体をかがめのぞき込むようにして唇を重ねた。

一瞬何が起きたのかわからなかった。

「俺はずっとキミカのことしか見てないよ」

唇が離れたあとも、一也はずっと私をのぞき込むようにして見つめる。

「兄貴には渡したくない」

一也はそう言って、私の手に自分の手を絡めた。
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