Two of us
その手は紘一郎さんの手よりも少し小さかったけど、紘一郎さんの手より熱かった。

「・・・明日、デートしよう。それで、俺のこと、兄貴の弟としてじゃなく、一人の男として見て」

ね?と再びのぞき込まれ、またキスされるんじゃないかと身構えた。

「・・・さっきのは宣戦布告。もうキミカがしてほしいって言うまでしないよ」

つないだ指先に力が入らない。

一也の熱が指先からうつってしまったように体が熱くなる。

「・・・あは、キミカ、真っ赤だ。かわいい」

一也はそう言ったあとに、今度は耳元で「食べちゃいたくなる」とささやく。

私はさらに顔を赤くして、一也の指が絡められた手を引っ込めた。





紘一郎さんとはあんなことしたのに、こんなんで真っ赤になっちゃうなんて私もまだまだだなぁ・・・


「じゃ、明日10時に迎えに行くから」


一也はそういうと見えてきた家に向かって走っていった。
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