Two of us
・・・・


紘一郎さん、私の気持ちに気づいて・・・?


「だから、俺がこの手でキミカを幸せにしてやりたいんだ」

紘一郎さんはいつになく強いまなざしで一也を見つめる。

「・・・キミカ、おまえは許せるのか?」

一也が紘一郎さんをつかみあげたまま振り向かずに聞いた。





許す・・・・?

許すも許さないも、私はずっと紘一郎さんだけを見てきた。


「キミカ・・・信じてくれないかもしれないけど、彩香のことが好きだと思いながらも、だんだんきれいになっていくキミカにも惹かれてたよ」

顔をあげると、一也の肩越しに紘一郎さんの優しい眼差しが見える。

「・・・紘一郎さん・・・」


「・・・んな、勝手なこと許せるかよ・・・っ・・・俺はずっとキミカのこと・・・」


一也は震える声を振り絞るように出すと、紘一郎さんを突き飛ばして走って言ってしまった。

すれ違う瞬間、紘一郎さんが「一也、ごめん」って言ったの・・・聞こえたかな


「私も、ごめんね・・・一也」


小さくつぶやいた言葉は夕暮れの風に流されてしまった。
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