Two of us
でも、あれから紘一郎さんはキスすらしてくれない。

私のこと気遣ってくれてるのはわかるんだけど、なんか寂しい。

「ん?どうした?」

腕の中で顔をあげると、紘一郎さんは額を合わせるように顔をのぞき込んだ。


「・・・私のこと、どのくらい好き?」

「・・・世界で一番?」

「・・・もう・・」

紘一郎さんは意外にも恥ずかしいせりふでもさらっと言いのけてしまう。

たとえだとわかっていてもやっぱり嬉しい。

でも、今は・・・・

   

「じゃあ、見せて」

「え?」

「・・・私のこと好きって・・・」

言いながら恥ずかしくなって上目遣いに紘一郎さんを見上げる。

「・・・キミカ、それって・・・」

紘一郎さんはしばらく私を見つめたあと、唇をきゅっと結んだ。

「・・・・いいの?」

「・・・うん」

白いレースのカーテンを通し、西日が部屋に差し込んでくる。
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