空の彼方に
「あっ・・・ああっ・・・」

まだ痛みが落ちつかない私は、その感覚に流されてしまわないように何かにしがみつこうとする。

すると彼方の手が優しく指先を絡め、シーツへと沈み込ませた。

「・・・痛いか」

そう言いながらも動きは激しいまま。

「い、痛い・・」

「そうか」

痛いといっているのに、彼方は嬉しそうに微笑む。

「忘れるなよ、この痛みは俺が教えてやったんだ」

「・・・う・・・ぁん・・」

痛みがようやく和らいで、代わりに違う感覚が生まれ始める。
< 25 / 121 >

この作品をシェア

pagetop