空の彼方に
「おかしくなれよ」

すると、いきなり彼方がスピードをあげて動き始める。

「・・・あ・・・あぁ・・・っ・・・」

私はまるで人形のように、彼方に揺さぶられている。

力が入らない。

身体が熱くしびれて、どこかに行ってしまいそう。

「・・ま、待っ・・・て・・・」

息もうまくできないまま、私はその快感に追いかけられる。

「・・・待てるかよ・・」

一生強く打ちつけられる腰に、私のつまさきが震え始める。

「・・・一緒にイこう、トーコ」

さっきまでのいじわるな口調からは想像もできないような優しい声が唇を遮る。
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