空の彼方に
「・・・あ・・・あぁ・・・」

最後はもう声にならなかった。

身体の中がぎゅーっとして、その中で彼方がびくびくと動いてる。


私の中に、彼がいる。

それだけで、嬉しい。


私は覆いかぶさってきた彼方の背中をぎゅっと強く抱きしめた。


「好き・・」

思わず声になって漏れてしまった言葉に、胸の中で彼方がふっと微笑む。

そのままその唇は目の前にある胸のふくらみに赤い痕をつけるのだった。
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