空の彼方に
3.眠るキミに秘密の愛を
「ね・・彼方、聞いてる?」

振り返ると、彼方は眠そうな顔で私の肩に背中に寄りかかってる。

「ああ・・聞いてるよ」

もう、嘘ばっかり。

今日は一人でどうしてもやってしまいたい作業があって、アトリエにこもってたんだけど12時を過ぎたころ彼方が訪ねてきた。

「なぁ、今度はどんな絵本なんだ?」

彼方は私のデスクの前まで行くと、どかっとそこに腰を下ろした。

「・・・あの・・」

「ん?」

彼方はデスクの上の原稿を眺めてる。
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