空の彼方に
「・・・」

だめ、と言いたいけど、甘えるような視線に思わず何も言えなくなってしまった。

静かなアトリエの中、私が筆を動かす音だけが響く。

「あんっ」

私は突然身体をびくんと震わせる。

幸い、原稿は無事だ。

「彼方~!!」

彼方はわざと私の胸の先端をつまみあげたのだ。

ふふんと鼻で笑いながら、いじわるな笑顔を作る。


やばい・・・

この状況、絶対やばい・・
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