空の彼方に
なんだか、前よりも一つになった気がする。

心も体も・・・全部が一つになれた気がする。


気がつけば、私は感極まって涙を流していた。

「・・・トーコ・・・」

低く甘く響く声が愛しい。

唇で涙を拭ってくれる彼方が愛しい。



「好き・・・、大好き・・」

私は思うままに彼方に伝えた。

首に腕を回せば、より一層強く抱きしめてくれる。

「・・・トーコ・・・」



彼が呼んでくれる名前が、「愛してる」に聞こえる。
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