空の彼方に
4.特別を望む心【前編】
明け方・・・

俺は疲れきって眠ってしまったトーコを眺めながら、その柔らかい髪に触れた。


「ん・・」

触れれば触れるほど愛しくて、今日のように激しくしてしまうこともまれではない。

俺は彼女の服を肌にかけると、そっと抱き上げて彼女の部屋まで運んだ。

思えば、ここまで来るのにずいぶん遠回りをしたな・・・

彼女をベットに横たえると、カーテンの隙間から明るくなり始めた空から光が漏れる。

「・・彼方・・・」

ベットの端に座り、髪を撫でるとトーコは甘えるようにその白い腕を伸ばしてくる。

その手を取り、肌をゆっくり撫でるように触れていく。


やばいな・・・

こうして触れているだけでも、欲情するなんて・・・
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