空の彼方に
「桐子、大丈夫か?」

ご近所の迷惑にならないよう小さめの声で話しかける。

桐子はこくんとうなづいたが、動けないようだ。

俺は一旦診察室へ行くと、点滴や吸入器を持って桐子の家にあがる。

桐子の部屋に入るのは何年ぶりだろう・・・

相変わらずぬいぐるみがたくさん並べられた部屋だ。

俺は早速吸入器をセットすると、桐子の口にマスクをかけた。

数分吸うと、少しだけぜーぜーと言う呼吸音が収まる。

桐子は苦しそうに前のめりになり、必死に息をしていた。
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