空の彼方に
5.特別を望む心【後編】
やばい・・・本気でやばい・・・


桐子の前では平静を装っていたけど・・・


俺は明け方自分の部屋に戻り、自分自身を宥めようとする。


さっき、診察をしながら触れてしまった桐子の胸・・・

細い肩・・・

潤んだ瞳・・・


すべてが愛しすぎた。



忘れようとすればするほど、その映像は鮮明になりますます押さえきれなくなる。

「まったく、ガキじゃあるまいし・・」

仕方なく、自分自身を自分の手で慰めた。

「桐子・・・」

頭の中は桐子のことでいっぱいで、あっという間に達してしまう。

その瞬間に、急に気持ちが落ち着いてティッシュで後処理をしている自分が情けなくなった。
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