空の彼方に
「誰にも触らせてないだろうな?」

俺は改めてこの先に進んでいいのか確信したくて、わざと意地悪に聞いた。

桐子は恥ずかしそうに目を逸らす。



だめだ・・・

ちゃんと俺の目を見て

ちゃんと俺を見て

まだお前は誰のものでもないって

教えてくれないと


「・・・してないよ」

蚊の鳴くような小さな声で桐子が答える。
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