君色
「でも、だめなんです・・・」

岡田さんはゆっくりと私の手を握りなおすと、ゆっくりと口を開いた。

「どうして・・・?」

「・・・私、汚れてるから・・・・」

「え?」

岡田さんの驚いたような顔を見ていられなかった。

「・・・私、前の会社でセクハラされていたんです・・・」

「・・・・」

震える声でそう告げると、岡田さんが私の手を離した。


やっぱり・・・

嫌だよね・・・

こんな女・・・

「それで、拒んだら言いふらすって言われて・・・」

それで・・・それで・・・

あの人は私を会議室に連れ込んで・・・・

一生懸命言葉にしようとするけど、涙がのどに詰まってうまく話せない。
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