君色
すると、ふわっと私をあたたかいものが包んだ。

「・・・こんな汚れた女、嫌でしょう?」

そういいながらも私はそのぬくもりを求めて、岡田さんのシャツを強く握った。

「・・・好きだ・・・」

岡田さんは私の質問を無視するようにつぶやくと、突然唇を重ねてきた。

思わず、びくんと身体を震わせると、岡田さんはゆっくりと身体を離して私を見つめた。

「ごめん・・・」

その顔が涙でにじんで見えなくなる。

嬉しくて、でも悲しくて・・・

私はただ涙を流した。

「・・・真秀はきれいだ・・・」

私の肩を抱いていた指先が頬を撫で、首筋をくすぐる。

ゆっくりとその指がおりてきて、シャツのボタンに掛かった。

私はただ岡田さんにされるがままに、ただその動きを見つめていた。
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