君色
ボタンを外され、肌が露になる。

岡田さんの唇が、首筋、鎖骨・・胸・・・と軽いキスを落としていく。

「・・・真秀・・・」

岡田さんのささやく私の名前が甘く優しく耳に響いて、怖さではなく愛しさに身体が震えた。

肩をなでるようにしてシャツを脱がされ、私はそのまま床に押し倒された。

「・・・悔しいな・・・ここを触ったのが俺が初めてじゃないなんて・・・」

気がつけば、身体中にキスをしながら岡田さんが泣いている。

「・・・岡田さん・・・」

「・・・伊織って呼んで・・・さっきも呼んでくれただろ」

伊織さんは私に覆いかぶさると、頭を抱えるようにして唇を重ねた。

「真秀・・」

「・・・伊織さん・・」

伊織さんの腕の中はふわふわして、暖かくて心が落ち着く。
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