君色
ピンポーン

離れになっているアトリエの玄関のチャイムが鳴る。

「あ。私、出ます」

私はすぐに玄関へと向かった。

鍵を開け、ドア押すとそこにはスーツ姿の長身の男性が立っていた。

「あの・・えっと・・・」

編集さんって女性じゃ・・・？

「あ、私、岡田伊織と申します。今日から蒼井先生の担当となりましたので、ごあいさつに・・・」

礼儀正しくおじぎをしながら、名刺を両手で受け取った。

「わ・・・かっこいい・・」

気がつけば奥の部屋からアシスタント全員がこちらを除き見ていた。

「あ、あの・・・どうぞ・・・」

岡田さんを招き入れると、アシスタントたちは途端にテーブルに行儀よく並んで座った。

「では、お邪魔します」

岡田さんは靴を脱ぐと、向きを変え靴をそろえてあがる。
< 3 / 81 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop