君色
「・・・ここ、気持ちいいんだね」

そう言いながら、何度も何度もその場所に触れてくる。

私はおかしくなってしまいそうになりながらも、その感覚に耐えた。

あまりの快感に涙が浮かんでくる。

伊織さんの唇がいろんな場所にキスをしてくれて、私は初めて男の人に抱かれることが幸せなことだと気がついた。

「・・・大丈夫？」

やがて、指の動きを止めると伊織さんが私の顔を覗き込んだ。

「・・・ん・・・」

私はすっかり力が抜けてしまって、答えるのもだるいくらいだった。

「そろそろ・・・いい？」

私は何も考えずにうなづく。

この熱くなった体をどうにかして欲しい。

体の奥で大きくなる疼きを止めて欲しい。
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表紙・目次

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