君色
「ちょっと待って。ちゃんと、するから」

ボーっとした頭で何をするのか考えていると、伊織さんはベットの引き出しから何かを取り出し、封を開けた。

それが何かわかった瞬間、顔が一気に熱くなったがすぐに大事にされているのだと嬉しくなった。

「・・・伊織さん・・・」

再び覆いかぶさってくる伊織さんの首筋に腕を回す。

「・・・真秀、好きだよ」

「私も・・伊織さんが好き・・」

「これからもずっと離さないから」

そう言って、まるで誓いのキスみたいにゆっくりと優しく唇を重ねてくれた。

「・・俺、あんまり経験なくてうまくないかもしれないけど、でも・・・」

伊織さんは私の足の間に座り、ゆっくりと体を重ねた。
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