Primo Amore(初恋)
「・・・お別れじゃないんだから、そんな顔しないで」

そう言って私の頬に触れる慧くんの手が優しい。

「・・・うん・・・」

「・・・クリスマスは、こっちにおいで」

え?

「嫌?」

「・・い、いいの?」

「いいよ。東京よりずっと、寒いけど・・・それが嫌じゃなければ」

「い、行くよ!絶対行く!!」

寒くなってなんだって慧くんに会えるなら・・・!!

「うん・・・・だから、その時まで頑張ろう」

「うん」

私は嬉しくて、満面の笑みでうなづく。

「・・・やっと笑ってくれたね」
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