あたしと彼の恋愛事情
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左手薬指に光る指輪の約束を、あたしは見事に破ってしまった。
これをはめたまま、佑真を抱きしめるあたしに、罰がくだらない訳がない。
それに、それだけじゃない。
由里香の事も、裏切ってしまったんだから。
それでも、隣で眠る佑真を見ていると、何一つ、後悔はなかった。
「う…ん…。オレ、寝てた?」
ゆっくり目を開けながら、あたしを見る。
「寝てたよ?30分くらいは寝てたかな?」
「そんなに?ごめん…」
「いいよ。仕事も忙しかったし、疲れてるんだよ」
「いや、疲れたのはそれが理由じゃないけど」
「え?」
戸惑うあたしを見て、佑真は楽しそうに笑った。