あたしと彼の恋愛事情
「出ない?」
「うん。もう、まったく何なのよ?」
携帯を閉じながら、ため息をつく。
「変だな。オレには、大事な話しがあるから、急いで西田の部屋に来て欲しいって、連絡があったんだ」
「そうなの?」
だいたい、それも変な話しなのよね。
由里香があたしの部屋に来た事は、ほんの数回程度。
そもそも、ここに住み始めたのは、社会人になってからで…。
お互い忙しくなって、家に遊びに行くなんて出来なくなっていた。
だから、由里香があたしの家自体、覚えてるかも微妙なのに。