あたしと彼の恋愛事情
「キャーッ!」
由里香の悲鳴と、ドアに打ち付けられた鈍い音とで、一瞬騒然となる。
「矢吹!てめぇ、自分が何をしたのか分かってるのかよ!」
顔を真っ赤にして、山川くんは倒れた佑真に詰め寄った。
口を切ったのか、血が流れている。
「分かってるよ。悪いのは、何もかもオレだから」
「てめぇ!」
そんな佑真に、さらに殴りかかろうとする山川くんの腕を、あたしは必死になって止めた。
「悪いのはあたしなの!あたしたち、高校時代に付き合ってたのよ!」