あたしと彼の恋愛事情


布団をかぶって、咳き込む佑真を見ながら、一瞬だけ昔に戻った気がした。



そうよ。


佑真はいつだって、こんな風に優しかった。


あたしを気遣ってくれて、いつも心配してくれて…。



いつだったかな?


「陽菜は危なっかしいから、一人で帰るなよ」


冬の薄暗くなった日に、佑真はそう言ってたっけ。


それからずっと、一緒に帰ってくれてたんだよね。




< 58 / 253 >

この作品をシェア

pagetop