私と黒猫
すると、いつも一緒に帰っている田中咲が来た。
「葵ちゃん」
「咲ちゃん、どうしたの?」
「うん、あのね、今日お母さんが学校に迎えに来てくれるから一緒に帰れないんだ。ごめんね」
「ううん。お出かけ?」
「うん。アウトレット行くんだ!」
「え〜いいな〜!楽しんできてね!」
「うん、ありがとう!じゃあ、また明日」
「ばいばーい」
ということで、今日は久しぶりに1人の下校。
今日はどうしてかすごく疲れたし、さっさと帰って寝よう。
そんなことを考えながら教室を出た。
学校から駅までの道程はそんなに遠くない。むしろ近い。
だから少しくらい遅く学校を出ても大丈夫なはずなのだが、歩くのが遅かったようで駅まで走らなければならなかった。