私と黒猫
里紗子は人の陰口でできたような人間だった。
いや、私と話すことがそういう内容しかなかったのかもしれないが…
とりあえず、口を開けば誰かの悪口だ。
しかし里紗子は嫌われるどころか、どんな子にも慕われているようだった。
私は里紗子のそういう話を聞きながら、いつも、絶対里紗子だけは敵にまわさないようにしなければ…と考えていた。
それなのにこうなった。
私は気付いたとき、
あぁ、しまった…
と心の底から感じた。
でもなってしまったものは仕方がない。
私は距離を置こう…そう考えた。
寝られない夜、そんなことを考えて無理矢理寝ようと思い切り布団を被り、目をつぶった。
「おやすみ」
自分に言い聞かせるように。
ピピッ
ピピッピピッ
ピピッピピッピピッ
ピピッピ…カチッ
目覚まし時計を止めて、目を擦る。
あぁ、今日もやってきた。
顔を洗ったり長い髪を櫛でとかしたり、支度をして朝食を食べる。
ニュースを見て占いを見て、駅まで時間を気にしながら歩いていく。