しだれ桜の木の下で
ゆっくりと桜から体を離して、翔の前に立つ。
私を受け止めてくれなかったことに文句を言おうとして。
だけどそれが原因だった。
そんなことをしてしまったせいで気が付いてしまった。
目を見開いてもう一度見る。
けれど、それが変わることは無かった。
翔は私を避けたわけじゃない。
その証拠に翔はさっきから1mmも動いていない。
なのに、私を受け止められなかった理由…それは、
「————体が、透けてる……」