しだれ桜の木の下で
「……知らないの? 昨日のこと」
全く分からなくて頷く。
「小学校の頃からずっと一緒だった翔君が亡くなったじゃない………」
「————————え?」
その瞬間、私の世界が止まった。
まさか、本当に知らなかったの?とお母さんは訊いてきたが私はそれどころじゃなかった。
(今朝の夢は本当のこと………)
翔が死んだのは真実。
虚実なんかじゃない、全てが現実。
そう知ってしまった瞬間私は意識を失った。