しだれ桜の木の下で






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目が覚めた時、もう外は真っ暗で月と無数の星々だけが空で瞬いていた。




時刻は25時。


空が暗いはずだった。




私は上半身を起こすとベッドから静かに降りる。




まだ三月だから、夜は寒いはず……。




そう思ってカーディガンを羽織って窓をそーっと開けた。


ちょっとの物音も立てないように、細心の注意を払って屋根伝いに外に出る。




そして二階から道路に向かって飛び降りた。




難なく着地するとそのまま走り出した。




場所は決まってる。




あのしだれ桜の下だ。






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