しだれ桜の木の下で
❀あと3日
「おかーさん、行くよ」
玄関からリビングに向かって言うと、お母さんが慌てて出てきたのでそのまま家を出る。
今日は土曜日。
そして、———翔の葬式の日。
昨日は結局通夜には行かなかったから、今日の葬式は出ようと思った。
制服で身を包んで葬式場に行くと、同級生が沢山いた。
どの子の目も暗く沈み込んていて、笑っている子なんて誰もいなかった。
笑ってる子がいたら、殴ってるところだけど。
受付を済ませて隅に立って下を向いていると、誰かの影が私に被った。
そっと顔を上げると目の前に翔のお母さんが立っていた。