しだれ桜の木の下で
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式が終わった後、静かに翔の遺体は燃やされて青い空に吸い込まれて行った。
最後に見た翔の顔はとても白かったけど、綺麗だった。
綺麗とか男の子に使う形容詞じゃないけどそう思った。
「お母さんは先に帰ってて」
「……分かったわ」
お母さんは心配そうな顔をしたけど、そのまま帰って行った。
私は煙が最後の一筋まで消えたのを見届けると歩き出した。
勿論行き先は翔の魂の所。
あの、しだれ桜の所。