しだれ桜の木の下で
「かっける!」
枝の上で寝ている翔呼ぶとゆっくり目を開けた。
「綾か……。 どうした?」
「『どうした?』って用事が無かったら来ちゃいけないの?」
口を尖らせて言うと翔は「確かにw」って笑った。
そんな翔を見て何か違和感を覚える。
何がどうとかうまく説明できないけど、何か嫌な感じがする……。
答えは出ないまま、翔の身体に目を移す。
いつものように、枝が透けて見える。
けれど、何かがいつもと違う。