しだれ桜の木の下で




「私の気のせいだから、怒んな「……そうだよ」




怒んないで…、そう言おうとしたのに翔は予想してなかったことを言った。


その言葉を頭の中で反芻する。


肯定の言葉を。




「そうだよ。     俺の体は透けてきてる」


「…………それってどういうこと?」




震える声で尋ね返す。




自分の考えと違っていて欲しくて。






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