しだれ桜の木の下で
私は息を吸い込む。
「何で怒らないの!? 私は翔のこと傷付けたんだよ! なのに、何で怒らないの!?!?」
力の限り叫んだのに翔は普通に答えた。
「怒らないよ…そんなことぐらいで」
「『そんなことぐらいで』でって……」
あんなに傷付いた顔してたじゃん…!
それを『そんなことぐらいで』で済ませられるの!?
「いいんだよ。つーか、そんなこと言ったら俺だって約束守ってないし」
絶対に嘘。
そんなこと言ってるけど、本当は翔が一番生きたかったはず…………。
なのに、何で
「笑ってそんなこと言えるの………?」